幼虫の飼育・・・続き
[10月頃~12月頃] マットの糞掃除、マットの補充
●幼虫を掘り出した後(10月頃)から冬眠する(12月中旬頃)までの間は、時々(月に2回程度)マットの表面から10cmくらいを手で掘ってみて、糞の状態を確認してみて下さい。
飼育用のケースの大きさと、マットの量、幼虫の数により確認する回数は変わります。
●糞が多いようであれば、粗目の土フルイで糞を除去して下さい。
●糞を取り除いた後、マットが減った量を補充します。
●幼虫がマットの上に出てくるのは、糞がいっぱいになっていることが多いので、マットを手で掘ってみて、糞の状態を確認して下さい。
ケースを齧る音
●ガリガリとケースを齧る音がするが無視して下さい。
カブトムシの幼虫は、硬い土の所まで深く潜ろうとする習性があるため、ケースの底を齧ります。
幼虫がマットの上に出てきたら
●幼虫がマットの表面へ出てきても、自分で再びマットの中へ潜ります。
●但し、マットの中に糞がいっぱいになった時は潜らないことがありますので、糞の状態を確認して下さい。
幼虫を太らせるのは冬眠までが勝負
●大きな成虫を望むなら、大きな幼虫に育てることです。
幼虫は冬眠するまでに肥らせなければなりません。
幼虫を肥らせるためには、マット選びと、餌不足にしないことが大切です。
●痩せ細った幼虫は、下の写真のように小さな成虫にしかなりません。
小さな成虫は、エサ(ゼリー)を沢山与えても大きくなりません。
[12月頃~2月終わり頃] 幼虫の冬眠
●12月に入って寒くなったら、幼虫は殆ど動かなくなり、マットも殆ど食べなくなり、冬眠状態になります。
日本のカブトムシは寒さに強く、マットが凍らなければ、0℃になっても死ぬことはありません。
●マットが凍らないように、水分補給は最小限にして下さい。マットの表面がカラカラに乾いていたら、表面が濡れる程度。
但し、大きなケースの場合、マットを手で掘ってみて、湿り気があれば、表面が乾いていてもOKです。
[3月] 幼虫の冬眠明け
●3月に入ったら、暖かい日に飼育箱をひっくり返して糞掃除をして下さい。
早目に目覚めた幼虫はマットを食べますので、糞も増えています。
●糞が多いようであれば、粗目の土フルイで糞を除去して、糞を取り除いた後、マットが減った量を補充します。
[3月頃~4月終わり頃] マットの糞掃除、マットの補充
●冬眠から目覚めた3月頃から、蛹室作り前の4月終わり頃までは、1週間に1回くらい、糞の点検をして下さい。
●糞が多いようであれば、5ミリ目の土フルイで糞を除去して、糞を取り除いた後、マットが減った量を補充します。
●5月の蛹室造りまではマットを食を食べます。
参考
[参考] ペットボトルを使っての幼虫飼育について
近頃は「ペットボトルを使っての幼虫飼育」について話題になっています。
幼虫飼育のために、わざわざ飼育箱を買うのは浪費になりますので、捨ててしまうペットボトルを活用するのは良い方法だと思います。 また、ペットボトルは透明ですから、中の幼虫の様子を見るには好都合です。
しかし、大きな成虫を誕生させるためには、大きな幼虫に育てなければならず、幼虫を容積の小さいペットボトルで継続して飼育することはお勧めしません。
このホームページの例では、幼虫をペットボトルへ入れていますが、これは、観察のためであり、運が良ければ蛹室の中の蛹の様子を見ることが出来るからであり、蛹室作りの前(5月のGW)くらいから羽化までの間の、大量に餌(マット)を食べない時の一時的なことです。
お勧めするのは、衣替えのシーズンになるとホームセンターやドラッグストアの店頭などに積み重ねられて大安売りされる衣装ケースですが、置き場に困ることがあると思います。
ペットボトル程度しか置き場がない場合はペットボトルなどを使用せざるをえませんが、その場合の注意事項を書いておきますので参考にして下さい。
「ペットボトルを使っての幼虫飼育」について
①カブトムシの幼虫は、孵化してから蛹になるまでに、1匹が約3リットルのマットを食べると言われています。 と言うことは、糞の量も莫大な量になります。
幼虫の間は変化が少ないので、飼育ケース内の糞の状態のチェックは忘れがち。ましてや、ペットボトルでは、中に入れてある幼虫の大きさや数により、食糧(マット)不足に陥り、幼虫は肥ることが出来なくなりますので、糞掃除、マットの補充は頻繁に行って下さい。
②ペットボトルは口が小さいので、小さな幼虫を入れる時は問題なく入りますが、思ったより早く大きくなり、小さな口からは出せなくなります。
また、マットは適度な湿り気が必要で、霧吹きで時々水分補給しなければなりませんが、小さな口からは難しいと思います。
ペットボトルは、ペットボトルの準備の図を参考に、斜めになった部分との境で切断したほうがよいでしょう。
③幼虫は、明るい所を嫌って、暗くて深い所へ潜ります。
ペットボトルはダンボール箱へ入れて暗くしましょう。
ペットボトルの周囲に紙を巻く程度では光が通過しますよ。
④幼虫は、3齢になるまでは共食いしますので、容量の大きなペットボトルを使用して下さい。
⑤使用するペットボトルの大きさは、幼虫の大きさにより変わりますが、蛹室作りまで飼育するのなら2リットルのものです。
この中へは2匹までで、3匹では蛹室作りに支障が現れます。
⑥他にもあると思いますが、思い出した時に書くことにします。
近所でカブトムシの幼虫を飼育されている方から、4月になってからカナブンの幼虫くらいの小さな幼虫を持ってこられたり、カナブンより少し大きい程度の成虫を持ってこられたりすることが度々ありますが、大きな成虫にするためには、幼虫が越冬するまでに肥らせておかなければなりません。
うっかりして忘れたとしても餌(マット)不足にならないように、安物でOKですから、衣装ケースのような大きなもので飼育されることをお勧めします。
飼育の参考
過去の幼虫飼育記録は、下記のホームページで公開しています。
これらのホームページはパソコン用に作成されているため、スマートフォンでは読み難いかもしれません。・・・私はスマートフォンは持っていませんので試していません。