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岩国市田舎村昆虫館は、イモムシとかアオムシなどと言われている幼虫の写真が沢山現れますので、昆虫が嫌いな方へは閲覧をお勧めしません。しかし、子供さんの夏休みの自由研究などに役立つ記事が沢山ありますので、興味のある方はご覧になって下さい。

蝶の幼虫の飼育(3) 食草間の引越し・幼虫飼育用ケース・他

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蝶の幼虫の飼育(3) 食草間の引越し・幼虫飼育用ケース・他

田舎村昆虫館館長
田舎村昆虫館館長

岩国市田舎村昆虫館の蝶の幼虫の飼育環境ですが、蝶の幼虫は生きていますので、活きているGARAKUTA Village同様に毎日変化します。

今後、このページのメンテナンスは追いつかないと思いますが、各々の観察日記の写真には新しいものも写っていることと思いますのでそちらのほうをご覧の上、ご確認願います。

食草間の引越し

柑橘類や山椒に産卵するアゲハ(特にナミアゲハですが)は、それらの木に残っている葉の量には関係なく産卵してしまい、幼虫が成長するに従い食べる量も増え、鉢植えや小さな苗木では飢饉に陥ることになります。
飢饉を避けるためには、幼虫を他の木へ移動させなければなりませんが、その時、幼虫を触ったりすると臭角をだしたりして死んでしまうことがあります。
幼虫にストレスを感じさせず、幼虫が知らないうちに新しい木に引越しさせる方法がありますので紹介します。

この例は、デコポンの鉢植えの苗木にウヨウヨと産みつけられたナミアゲハの幼虫ですが、このまま放置していたら葉を食べ尽くされて、来年も丸坊主の状態から始めなければなりませんので、写真を撮りながら3匹ほど引越ししました。


2011年6月28日の午前中に実施した例です。
幼虫が掴まっていたデコポンの葉を、幼虫の周りで切り取って、セロテープで大きな橙の木の葉へ貼り付けました。

2匹目も同じように貼り付けました。

3匹目も同じように貼り付けました。

午後確認したら、1匹は橙の葉へ移動済み。
もう1匹はセロテープの上。
もう1匹は、浮き上がったデコポンの葉の下に居ました。
卵も1個付いてきていましたよ!


翌6月29日に、引越し後の様子を確認しました。
3匹の内2匹は、引越し先とは異なった葉へ移動していて、そのうち1匹は、葉の裏側から葉を齧っていました。
もう1匹はどこへ移動したのか判りませんでした。葉から葉へ移動する途中で枝の部分を這っている時は探し難いものです。

幼虫飼育用のケース・・・2012年7月現在使用中

何年間かアゲハの幼虫を飼育してきましたが、最初は30年近く前の飼育箱。
この飼育箱では蓋の穴からアオムシコバチに入られて甚大な被害に。・・・蓋の代わりにタオルを掛けてみたり、防虫シートを挟みこんでみたり・・・
食草の橙の葉は、葉だけを入れるため乾燥し過ぎても困るし、ある程度の湿度も保ってもらいたいし・・・
色々なケースを試してきましたが、2012年は下記の3種類のケースを使用しています。

これら3種類のケースは幼虫の大きさにより使い分けて、幼虫が大きくなるに従って大きなケースへ引越しさせています。
これらのケースは全て100円ショップでの調達品です。


8cm X 7cm X 深さ4cmのタッパー
卵や孵化したばかりで歩き回る幼虫を入れています。
食草の橙の葉は水洗いして、タッパー内が結露しないようにタオルで水分を取り去って入れています。
小さめの橙の葉を斜めにして1枚入ります。
密閉性が高いですが、幼虫の窒息死はありません。


11cm X 8cm X 深さ4.5cmのタッパー
大き目の橙の葉が入りますので、食べる量が多くなったらこのタッパーへ引越しします。
タッパーは密閉性が高いので、湿度が高いと糞にカビが生えるので要注意です。


15cm X 11cm X 深さ15cmのケース

蓋の開閉が便利です。

終齢になったらこのケースへ引越しします。
ケースの中には割り箸を4本入れて、蛹になる場所を確保しています。

下の写真をご覧下さい。



ケースに割り箸と橙の葉、クロアゲハの終齢が2匹入った状態です。
上の写真は撮影のために蓋を取り外していますが、蓋を付けたままで割り箸の交換や食草追加が出来ます。但し、糞掃除の時は、掃除済みのケースへ移動させています。

ケース内に割り箸を立てかけておく方法で、90%以上は割り箸に掴まって前蛹になってくれています(私が飼育しているナミアゲハ・ナガサキアゲハ・クロアゲハ)ので、前蛹になったら割り箸を引き抜いて、蛹ばかりを入れた同種のケースに移しています。その後、新しい割り箸を追加。

このケースは、前蛹から羽化近くの蛹を入れるためにも使用していますが、蓋を閉めておけばアオムシコバチが入り込む隙間がないので被害に遭うことがなくなりました。


ケースのついでに2つばかり紹介しておきます。

100円ショップで買った割り箸です。
昨年までは、船場吉兆のように使い回ししていましたが、病気の伝染などのことを考えて、今年からは一度使ったものや下痢便などで汚れたものは捨てることにしました。
右側はアイスキャンデー(私は戦前生まれですから、最近は何と呼ぶのかわかりません)の食べ残しの棒です。羽化前に蛹の上方に取り付けて、蛹から出てきたアゲハがぶら下れる補助具として使っています。(これは、私が食べた残り物です。)