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岩国市田舎村昆虫館は、イモムシとかアオムシなどと言われている幼虫の写真が沢山現れますので、昆虫が嫌いな方へは閲覧をお勧めしません。しかし、子供さんの夏休みの自由研究などに役立つ記事が沢山ありますので、興味のある方はご覧になって下さい。

カブトムシの幼虫の飼育 人工蛹室の作り方・産卵床の作り方・マットの使用量・他

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●このページは、前ページからの続きです

産卵床・・・過去の実績に基づいた産卵床

子供さんに人気のあるカブトムシですが、昔(今から60年くらい前)、私たちが子供の頃は、近くの雑木の山へ行って採っていました。

その付近にはスイカ畑があり、朝早く行くと、はち割れたスイカを食べているカブトムシをみつけたり、ついでに自分もスイカを無断でご馳走になったりしていました。

しかし、近頃は、カブトムシはホームセンターやスーパーに住んでいて、そこから買ってくるものだと思っている子供さんもおられるんですね。

ホームセンターのカブトムシ売り場を見ていても、角があるオスは人気がありますが、メスは殆ど売れ残り。

オスだけでなく、メスがいてこそ産卵もでき、翌年のカブトムシにも出会うことができます。
最初は買ってきてもよいですし、貰ってきても良いです。

カブトムシを飼育するからにはオスだけでなくメスも同居させ、産卵させて、翌年はカブトムシを買わなくてもよいようにしませんか?

幼虫の期間は長いですが、秋から翌年の初夏まで、何回かの糞掃除と、食料であるマットの補充だけで、特別なことが無い限りカブトムシを羽化させることができます。

しかし、産卵させて、卵を孵化させて、幼虫を育てるには大事なことがあります。

ここでは、産卵させる場所(産卵床)の作り方をご紹介します。

ご紹介する方法は私がやっていて成功した一例ですから、これ以外はダメなことはありませんので、皆さんの都合の良い方法で試してみて下さい。

単純に、成虫を死ぬまでの間、見るために飼育する方法とは異なります。

産卵床

S20090523-kabuto-8

  1. ケースは出来るだけ底面積の広いものを使って下さい。産卵の時、メスはマットの中に潜って、あちらこちらに卵を産みますので、狭いと、先に産んだ卵を壊してしまいます。私が使用しているケースは、底面が68cm X 25cmの超安物の衣装ケースで、成虫を5ペア程度同居させています。
  2. 先ず、Aの部分にマットをいれます。S20090523-kabuto-a
    この部分が産卵する場所です。深さは約10cmと書いてありますが、少し浅くてもOKです。
    但し、少なくとも8cm程度はほしいです。この部分は、マットに霧吹きで水分を与えながら、固くなるように、手で上からグイグイと押し付けながら入れていきます。(マットは土ではありませんので、カチカチに固まり、メスが潜りこめないようにはなりません。ご安心を。)水分の量ですが、マットを手で握ってみて、オニギリが壊れない程度です。

    水が多いと、孵化した幼虫が溺死しますし、マットが乾燥していると、卵が乾燥して孵化できません

    注意Aの部分の水分は、最初に霧吹きで湿らせただけで、特に乾燥が激しい環境でない限り、それ以降は殆ど必要ないと思います。(但し、Bの部分の上面が乾いたら水分補給は必要)
    なぜならば、成虫のカブトムシの糞は水のようなサラサラした液状ですから・・・

  3. 次に、Bの部分にマットをいれます。S20090523-kabuto-b
    この部分は、カブトムシが昼間隠れる場所です。深さは約10cmと書いていますが、5cm程度でもOKです。この上に、空間が必要ですから、ケースの深さにより加減して下さい。但し、ゼロでは、Aの部分を掻き回されます。

    この部分のマットは入れるだけで、上から押さえる必要はありません。[注意]このBの部分の水分ですが、表面が乾いたら、霧吹きで水分を補給して下さい。

    これは成虫のためであり、産卵床だけのことではありません。

  4. これで産卵床は出来上がりました。
    しかし、成虫が餌を食べるための空間、交尾できる空間が必要ですから、Bの部分の上は、餌の受け皿を置いて、その上にオスが乗っても角が天井に当たらない程度のスキマが必要です。

産卵床に使用するマット

産卵床と言っても、卵を採取するだけのものではありません。
産卵させて、卵を孵化させ、幼虫を育てるためのものです。

従って、産卵床のAの部分には、孵化した幼虫が食べることの出来るマットを使用しておかなければなりません。
また、産卵しようとするメスの気分によってはBの部分に産卵するかもしれませんし、Aの部分を引っ掻き回して卵がBの部分に出てくるかもしれません。
また、Aの部分用とか、Bの部分用とか、小さな幼虫用とか、大きな幼虫用とかいって、マットを変えてメーカーを儲けさせる必要もありません。

私は、2007年にいろいろなマットを試してみて、「幼虫の餌、成虫の潜り込み場所、適度な湿り気の保持、など」で、何にでも使用できるマットを探し当て、1年中これを使用しています。

本サイトは商用サイトではありませんので、私が使用中のマットを参考として書いておきますが、袋の写真とサイトのURLにとどめ、メーカー名は書いてありません。

[参考]なお、マットの比較は、2007年・カブトムシ飼育日記(13)のページにあります。

[注意]マットと言えば特殊な物のようですが、腐葉土も同じようなものです。自然界の幼虫は腐葉土などを食べて育っています。従って、高価なマットを使用しなくても、安価な腐葉土でも幼虫の飼育はできます。しかし、チョッと待ってください。近頃の園芸店で売っている腐葉土には、化学肥料などが混ぜ合わされていますので、幼虫には絶対に使用しないで下さい。


P20070827-IMG_1845-2
育成マット
柔らかそうであり、孵化したばかりの幼虫も食べ易そうなので、産卵、および孵化ようとして、成虫の飼育箱の底へ約10cmくらい入れて使用しています。

産卵床から卵の取り出しについて

取り出した卵は乾燥させてはなりません。

産卵床の中の卵の状態をご覧下さい。適度な湿り気のあるマットに覆われていたと思います。

卵を掘り出して、新しいマットの上に置き、霧吹きで水分を補給してから更にマットを被せて水分を補給・・・これで大丈夫なような気がしますが乾燥してしまうのでしょうね。孵化できない卵が多いようです。(なかには無精卵もあるらしいですが・・・)

卵はどんなものか確認する必要がある場合以外は、孵化して、マットを食べる状態の幼虫になるまで掘り出ししないことをお奨めします。

どうしても卵を取り出したい場合は、1ペアを別のケースで産卵させて、そのケースだけ掘り出してみて下さい。・・・但し、卵を全て失う覚悟で。

産卵中のメスの状態

メスは産卵する時は、固くなった所(Aの部分のマット)へ潜り込みます。

卵は20個(?)くらいをあちらこちらへ産み落として歩きます。

産み終わるまでは出てきませんので、メスの姿が見えないからといって、産卵床を掘り返さないで下さい。

心配しなくても、産卵が終わったら出てきます。

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幼虫飼育のマットの使用量・・・2008年度の実績

このデータは、2008年の夏の幼虫掘り出しから、2009年の夏に114匹を羽化させるまでに使用したマットの量であり、幼虫が食べた量ではありません。

カブトムシの幼虫は、蛹になるまでに1匹が約3リットルのマットを食べると言われていますが、コバエ対策などのためにマットの交換もしていますので、1匹当たり3リットル以上使用しています。

2009年・カブトムシ飼育日記(19)から抜粋したデータを転載しますので参考にして下さい。


カブトムシの幼虫は、蛹になるまでに1匹が約3リットルのマットを食べると言われています。

岩国市田舎村昆虫館には2008年8月22日現在、116匹の幼虫が住み着いていることが確認されました。

単純に計算しますと、116匹 X 3リットル = 348リットル。 10リットル入りのマットなら35袋。

1袋が798円ですから、798円 X 35袋 = 27930円。このまま116匹が蛹になるとすると、28000円の餌代が必要です。

社会保険庁の輩が使い込んだために崩壊した年金生活では、子供さんたちが喜んでくれるからと言っても、このような大金は投資できません。とは言っても、116匹の幼虫を餓死させたのではカブトムシ帝国の皇帝から恨まれて祟りがありますよ!

餌代は、霞ヶ関の埋蔵金+国会議員の歳費+国会議員の料亭飲食費+事務所の裏経費+なんとか還元水代+官製談合裏金+防衛装備品の賄賂などから賄えそうですから心配しないことにして、説明責任を果たすために領収書を作成しておくことにしました。

来年の5月の蛹までに何リットル食べるのでしょうか?

マット使用量集計表
補充年月日 使用量
(リットル)
使用量累計
(リットル)
幼虫数
(匹)
1匹当りの使用量
(リットル)
備考
2008/08/22 30 30 116 0.259 350リットルまでの残り=320リットル
2008/09/06 10 40 116 0.345 350リットルまでの残り=310リットル
2008/09/08 20 60 115 0.522 350リットルまでの残り=290リットル
2008/09/17 60 120 115 1.043 350リットルまでの残り=230リットル
2008/09/28 20 140 114 1.228 350リットルまでの残り=210リットル
2008/10/13 60 200 114 1.754 350リットルまでの残り=150リットル
2008/10/16 5 205 114 1.798 350リットルまでの残り=145リットル
2008/10/28 10 215 114 1.886 350リットルまでの残り=135リットル
2008/11/10 30 245 114 2.149 350リットルまでの残り=105リットル
2008/11/28 30 275 114 2.412 350リットルまでの残り=75リットル
2008/12/26 20 295 114 2.588 350リットルまでの残り=55リットル
2009/03/23 10 305 114 2.675 350リットルまでの残り=45リットル
2009/04/10 70 375 114 3.289 * 予定の350リットルを超過
2009/05/12 30 405 114 3.553 * 予定の350リットルを超過
2009/05/15 25 430 114 3.772 * 予定の350リットルを超過
*1匹あたり 3リットルを超えましたが、これは使用した量であり、食べた量ではありません。

グラフを描いてみました。

2009kabutomushi-mat-8

・カブトムシの幼虫飼育は、寒くなるまでに、3齢幼虫をいかに大きく出来るかにかかっています。
・グラフでは、12月末までに、1匹当たり2.6リットル使用しています。
・寒い間は殆ど食べませんので使用量は増えませんが、暖かくなると食べ始めますので使用量は急激に増えます。
・冬の寒い時でもコバエは増え続けます。お手上げ状態になったら、コバエ対策としてマットの総入れ替えが手っ取り早いです。