ナミアゲハの観察(18):順調に育っていると思ったナミアゲハの幼虫もヤドリバエの被害にも遭っています。
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2008年8月29日 幼虫の救出(2)・・・怪我をしています
ルリタテハの孵化に気付いて慌しく庭を往復しているうちに、足元に緑色の何かが・・・
メガネを掛けていなかったのでボヤーとしか見えなかったのですが、しゃがんで見たら痩せて弱り気味のナミアゲハの幼虫。橙の木の下ですから蛹になるための逃走中かなと思ったのですが歩くのが精一杯のように見受けられます。
蛹になる前なら飼育箱へ入ってもらいたいが飼育箱はツマグロヒョウモンで満員のため入居不可能。事故で墜落したのなら橙の木へ。
いずれにしてもこの際は橙の木へ戻ってもらうしかないので、割り箸救助具を差し出しても昇る元気は無さそうです。頭の辺りを突付いても臭角も出しません。
なだめすかして割り箸救助具に乗せましたが、頭には水滴がついています。この水滴はなかなかしつこくて、コロコロと転げて落ちずにへばり付いたままです。
なんとなく粘っこい水滴だなと思ってティッシュペーパーで吸い取ってみたら、傷があるではありませんか!
水滴ではなく、透明な液体が幼虫の体の中から出ていたんですね。
なにはともあれ橙の木へ運ぼうと思ったら、傷の所から透明な液体が噴出。見ていたら、小さなの玉がどんどんと大きくなっていきます。まさに「噴出」です。
大きさは左の写真で止まりましたので、このまま橙の木へ移動し、夜は雨が降りそうなので軒下に入り込んだ枝に掴まらせました。
2時間くらいして見に行ったら、悲しそうな顔をしてこちらを見ていました。
傷の所の透明な液体は黒っぽい色に変わっていました。
ところでこの幼虫には何が起こったのでしょうか?
蛹になるための逃走中に踏みつけられたのならペシャンコになっていて、この程度の傷ではおさまりません。蜂なら刺すだけでなく、食べてしまいますよね。
この橙の木には非常に多くのクモが潜んでいます。
下の写真は潜んでいるクモ(8月27日撮影)の一つですが、このクモかどうかは判りませんが、クモが小さな幼虫(ナミアゲハとキアゲハ)に噛み付いたところを2度見ました。
しかし、こんな大きな幼虫には噛み付けないと思います。が・・・先日はカマキリに噛み付いているクモを見ましたよ。
今日の奇怪な事件も迷宮入りになりそうですね。
2008年8月31日 久しぶりの元気な幼虫との出会い
ツマグロヒョウモンの幼虫の世話が一休みできそうなので、橙の木を見上げてみました。
ざっと見回しただけで6匹見つかりました。みんな元気です。
上の写真の右側の幼虫は、鉄兜を被っているように見えますが、戦闘訓練に出掛ける支度中でしょうか?
逮捕して飼育箱留置場へ連行したい大物がいましたが、空き部屋がないため逮捕は諦めました。
なお、8月29日の頭の所に傷を負った幼虫はいないかと頭をチェックしましたが出会えませんでした。
この幼虫は、ナガサキアゲハのような気がします。
2008年9月1日 今日も見るだけにしたかったのですが・・・
授業中? 密談中? 談合中?
首相退陣の下打合せ中でした。
つい先日の内閣改造で突然椅子が転がり込んできた大臣は、首を洗って見守っています。しかし、今回の組閣では身体検査を省いたため「国民がやかましい」などと口を滑らす大臣が出る始末。
この2匹は身体検査をするために、ケースの中に1泊してもらうことにしました。
ひょっとすると明日の朝には口の無い前蛹に変身し、証拠隠滅を図っているかもしれませんよ。
アゲハの幼虫の食料である橙の木の葉に虫が付き始めました。
幼虫の生活の場ですから殺虫剤を散布する訳にもいかず、葉を千切りとって捨てています。
2008年9月2日 もう1泊してもらうことにしました
1匹は体を縮めて前蛹の支度のように見えますが、なんとなく「ヤラセ」のような臭いがします。
証拠隠滅を防ぐため仮釈放はせずに、もう1晩だけ泊まってもらうことにしました。
2008年9月3日 2匹とも前蛹になっていました
朝の点呼で返事がないと思ったら、2匹とも前蛹になっていました。
[背番号2008-58]と[背番号2008-59]を予約しておきました。
2008年9月3日(2) オマケ
暑い暑いと言いながらも、アキアカネの季節になっていました。
アゲハの食料である橙の木で休憩中でした。
2008年9月4日 [背番号2008-58]と[背番号2008-59]が蛹になりました
朝見たら、写真左の[背番号2008-58]と、写真右の[背番号2008-59]の2匹とも蛹になっていました。脱いだ皮が尻の近くに置いてありました。
[背番号2008-59]の周りをご覧下さい。前蛹になる前に張り巡らした糸が見えています。
午後はツマグロヒョウモンのスミレ採集に出掛けるためケースが必要となり、蛹を2匹とも引越ししました。