成虫の飼育
[6月上旬] 成虫飼育用の飼育箱の準備
●成虫飼育用の飼育箱の準備をしておいて下さい。
飼育箱は出来るだけ大きく、産卵させて来年用の幼虫を確保するためには深いものが必要です。
●飼育箱の中には、来年用の幼虫を確保するために、産卵床を作って下さい。
産卵床を作っておかないと、成虫がマットに潜り込んで引っ掻き回し、卵を壊したり、幼虫を殺してしまったりします。
●幼虫は、小さい時には共食いすることがあるため、餌であるマットが十分に入る、大きめの飼育箱にして下さい。(3齢幼虫になったら共食いはしません。
産卵床の作り方
●産卵床の作り方
の部分
・メスが潜って産卵する場所です。
・底から深さ10cmくらい、霧吹きで水を与えながら、マットを手で強く押えて、しっかりと固めて下さい。
メスは角が無いので、押し固めてあっても潜ることが出来ます。
の部分
・オスが昼間に隠れる所です。
・その上に10cmくらいマットを入れて下さい。
マットを手で握りしめて、手を開いても、崩れない程度の湿り気にして下さい。
●使用するマットについては、幼虫の餌は「マット」のところに書いてありますので、お読み下さい。
●腐葉土もマットとして使えますが、園芸店、ホームセンターなどで売っている一般的な腐葉土は使用しないほうが安全です。
使用する場合は、農薬などが混入していないことが保証されたものにして下さい。
●土は絶対に混ぜないで下さい。
[6月下旬~7月上旬] 成虫が蛹室から出てくる
●羽化してから1週間から10日くらい後(翅が硬くなった頃をカブトムシ自身が見計らって)に、成虫がマットの上に出てくるので、気が付いたら掴まえて飼育箱へ移す。
●羽化した後、自分で蛹室から出てくるまでは何も食べません。
●蛹室の中に黒い成虫が見えた後は、毎朝ペットボトルの中をチェックして、成虫がマットの表面へ出ていたら捕らえて、成虫を飼育するケースへ入れて直ちに餌を与えて下さい。
成虫は、昼間はマットの中や、元の蛹室の中へ潜るので、気が付いたら直ちに餌のあるケースへ入れないと、餓死させることもあります。
[6月下旬~8月~9月] 成虫の飼育
●飼育箱は、直射日光に当たらない涼しい所に置いて下さい。
成虫は、直射日光が当たる炎天下では、30分当てたら死んでしまいます。
●来年用の幼虫を採るために、飼育箱にはオスとメスを入れておきます。
●成虫の糞尿
成虫の糞尿は、糞と尿が混ざり合ったもので、尻を持ち上げて勢いよく飛ばします。
覗き込んでいたら、目に飛び散ってくることがありますので、目に入ったら直ちに目を洗って下さい。
室内で、飼育箱外で遊ばす時は、周りが糞尿で汚れるので注意して下さい。
●マットがカラカラに乾かないように、時々霧吹きで水分補給を行って下さい。
マットの表面が湿っておればOKですが、下の方まで乾いている場合は、多めに。
成虫の餌
カブトムシはスイカも大好きですが、水分が多い物を食べていたら長生きが出来ません。
●成虫の餌は昆虫用のゼリーです。
●餌は、スイカなどのような水分が多いものは与えないこと。・・・早死にします。
また、ゼリーも水分が多いものは与えないこと。砂糖水も与えないこと。
●水分の多いゼリーを買ってしまった場合は、餌皿に入れる前に水分を除去して下さい。
●餌は絶対に切らさないこと。
食べ過ぎることはないので、餌不足にならないように与えましょう。
餌が不足すると早死にします。
毎朝チェックして、全部食べて無くなっている場合は餌不足ですから、少しは残っているように多めに与えて下さい。
多く与えても、食べ過ぎることはありません。
よく食べる時期には、ゼリーを1日に1個くらい食べます。・・・オスの場合。
メスは産卵途中でマットの上面へ出てきて、1日中食べていることがあります。
●食べる時に食べやすいように、餌皿を使用しましょう。
木の餌皿は掴まり易いです。
餌を食べる時、オス同士は喧嘩をするので、餌皿の穴の数は、オスの成虫の数以上のゼリーが入るように、餌皿置いてやりましょう。。
●餌皿は大きくて重いもの(朽木はダメ)を使用して下さい。
小さかったり、軽かったりすると、餌皿をひっくり返されてしまい、ゼリーでマットが汚れてしまいます。
●メスは、ゼリー2個用のエサ皿に2匹が喧嘩をせずに掴まって食べますが、オスは、2個用の餌皿でも1匹が占領してしまって、他のものは寄せ付けません。
●オスの成虫は夜食べるので、毎日、夕方に餌の支度をするのがよいです。
●メスは昼間にゼリーを食べていることが多いので、昼間もエサ(ゼリー)が不足しないように注意して下さい。
●成虫の糞尿は撒き散らされて、餌皿の中に溜まるので、夕方残っているゼリーは洗って、清潔にしたものを使い回して下さい。
●エサ(ゼリー)の交換前、交換後、カブトムシやマットを触った後は、手洗いを忘れずに。
●中国産(Made in China)のゼリーについて
2014年は何年かぶりに中国産(Made in China)のゼリーを購入してみました。何を混入しているのか? 水分が非常に多いし、ヌルヌルして気味悪い状態。
日本の会社が品質管理しているのなら少しは安心できますが、日本語で書かれた袋に入っているとはいえ、中国の会社任せのものは信用しないほうが良さそうです。
しかし、日本の会社も、カブトムシの安価なゼリーで費用を掛ける訳にはいかないのが現状です。
中国産(Made in China)のゼリーを食べさせてみて、早死にしたなと感じた時などは、直ちに使用を中止して下さい。
また、中国産(Made in China)のゼリーを交換した時は、手洗いを絶対に忘れないことです。
ゼリーの味を確かめようとして舐めるようなことは絶対に禁止です。
中国産の昆虫ゼリーは安いのですが、水分が多いし、何が混入しているか判らないのでお勧めしません。人間が食べる物も安心できませんので・・・
仰向けになったままにしないように・・・早死にします
●カブトムシが仰向けになっていることがあります。
カブトムシは仰向けになると起き上がれないことが多く、起き上がろうとすると莫大なエネルギーを消費するので、早死にしてしまいます。
●仰向けになったままの状態に気が付いたら、割り箸などを差し出して、起き上がるのを手助けしてやるのが親切です。
●仰向けになって弱っていると感じた時は、起き上がらせて、餌皿の上に乗せてやると、ゼリーを食べて、元気を取り戻してくれることが多いです。
●仰向けになってしまった時に、足が引っ掛かる物があれば自分で起き上がれやすいので、飼育箱に、木の棒や、枯れ葉、餌皿などを入れてやりましょう。
●プラスチックの飼育箱など、底がツルツルと滑る状態での飼育は厳禁です。
アリに注意
●油断していると、甘いゼリーには、アリが群がってきます。
マットの中にまで入り込んでくるので、飼育用ケースの周りを歩いていないか十分に注意しましょう。
●飼育用ケースを室内に置いている場合は特に注意して下さい。衣服を歩いているアリに噛みつかれないように。
野生のカブトムシの捕獲に挑戦してみましょう
私たちが子供の頃(65年以上前)は、朝早く起きて。山の雑木林へカブトムシを捕りに行っていました。帰り道で畑のスイカを食べて怒られたことがありました。
●家の近くでも、雑木があり、落ち葉が腐葉土状になっている所(公園なども)では、野生のカブトムシが居る可能性があります。
●成虫を軒下などの屋外で飼育していると、餌(ゼリー)の匂いにつられて、飼育箱の周辺に来ていることがあります。
●羽化する時期に限りますが、夜明け前に、懐中電灯で照らして、飼育箱の周辺を探してみて下さい。
明るくなると、暗い所へ潜るので探せなくなります。
●近頃は、匂いのしないゼリーを売っていますが、匂いの強いゼリーが良いです。
[6月下旬~8月~9月] 産卵
●交尾の後、メスはマットの底(産卵床)に潜って産卵します。
産卵床がないと、オスが卵を蹴散らして卵を潰してしまいます。
●成虫の飼育中に、白い卵(米粒くらい)をみつけた時は、直ちにマットの中の湿り気のある所に埋めておいて下さい。
卵は、乾燥させたら殆ど孵化しません。
成虫の死亡
●成虫はマットの表面へ出て死にます。
幼虫の掘り出し
●メスは死ぬ直前まで産卵していることがあり、成虫が全て死んでも、卵のままや、孵化したばかりの幼虫の状態だったりしますので、慌てて幼虫の掘り出しはしないで下さい。
●幼虫の掘り出しは、[9月頃] 産卵床から幼虫の掘り出しを読んでから行って下さい。
参考
飼育の参考
過去の幼虫飼育記録は、下記のホームページで公開しています。
これらのホームページはパソコン用に作成されているため、スマートフォンでは読み難いかもしれません。・・・私はスマートフォンは持っていませんので試していません。
産卵床、お勧めマット、糞掃除の様子など