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岩国市田舎村昆虫館は、イモムシとかアオムシなどと言われている幼虫の写真が沢山現れますので、昆虫が嫌いな方へは閲覧をお勧めしません。しかし、子供さんの夏休みの自由研究などに役立つ記事が沢山ありますので、興味のある方はご覧になって下さい。

ツマグロヒョウモンの飼育(6) 羽化の予兆が判るようになりました

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●このページは、前ページからの続きです

2007年9月18日 羽化

今日は、秘伝中の秘伝であるGARAKUTA引越しセンターの「チョロマカシ引越し」を皆さんへご紹介しようと、ルリタテハの蛹と遊んでいました。

ルリタテハの蛹を物干し竿に付けようとしたら、ツマグロヒョウモン用の物干し竿の蛹がパリパリと破れて「コンニチワ!」。

9月になってから最初に蛹化したのが9月7日。次の蛹化が9月10日。
ルリタテハに気を取られて、羽化する時期だったことをすっかり忘れていました。


秋の陣の第1号はオスです。

羽化した蛹の場所から考えると、9月10日に蛹化した蛹ですね。
昼には飛び立っていきました。

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秋の陣の第2号です。

午後、庭を歩いていたら枯葉のようなものが芝生に・・・私は近視ですから、眼鏡を外すと1m先はピントが合わず、ボケてしまいます。
近寄ってみたらツマグロヒョウモン。

手を出しても逃げようともしませんので羽根を掴んでみたら、右側の羽根は伸びきっておらず、羽化失敗の羽根。

ピーポーピーポーを鳴らしながら物干し竿に搬送しましたが、発見するのが遅かったですね。
今日は風が強かったので、何処かから吹き飛ばされて落ちてきたことでしょう。

この羽化失敗のオスですが、「どこ」からきたのかを捜査した結果、当岩国市田舎村昆虫館の物干し竿と判明しました。

物干し竿の蛹の中で、9月7日か10日の蛹化と思われるものがもぬけの殻
午前中の1匹目が飛び立った後で羽化し、風で吹き飛ばされたんですね。

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なお、このオスは夕方も竿に掴まったままでしたが、翌朝(19日)確認したら、姿が見えなくなっていました。
遠くへは飛んで行けないでしょうから、明るくなってから捜索隊を出発させます。

2007年9月18日(その2) 奇怪な蛹(1)

ところで、上の羽化失敗のオスの一番左の写真に写っている3匹の蛹ですが、写真を拡大してみて下さい。

羽化失敗のオスの写真を撮る時に気付いたのですが、中央の蛹にオレンジ色の線が見えていますよね。これは何でしょうか?
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この蛹のオレンジ色の線を見て最初に思ったことは、「殻が破れて羽化が始まるぞ。目玉が現れた瞬間の写真が撮れる。」

羽化失敗したオスの様子を横目で睨みながら、目玉が出てくるのを待ちました。
しかし、カンカン照りの庭でカメラを構えて目玉を待つ。・・・・辛抱が要りますよ。
私は暫くして遂にギブアップ。この蛹を突いてみても、全く応答なし。

しばらくの間、様子を見ることにしました。

2007年9月19日 奇怪な蛹(2)

今朝はこの蛹の両隣の2匹が羽化しましたが、この奇怪な蛹は全く変化ありません。

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9月19日に羽化した抜け殻

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今朝の2匹目の羽化は、蛹の向きが良かったので今までにない羽化の様子を見ることが出来ました。
羽化した後の抜け殻を見ると、この奇怪な蛹のオレンジ色の部分が裂けているんですよ。
このあたりの状況から推測すると、この蛹は殻を破って外に出ようとした瞬間に、何かのショックで固まってしまったのではないかと思われます。
何かとは何か」と聞かれても、私には何か判りません。
また、この状態になったのは昨日ではないような感じがします。
もしかすると、9月7日に蛹化した蛹で、何日か前に羽化しかけて逝ったのかもしれませんね。
まあ、そのうち、GARAKUTA医院の外科の先生が暇になったら、羽化の時に破れる皮の部分を剥がしてみてもらいます。

2007年9月19日

ツマグロヒョウモンは何度も羽化してくれましたが、どうしても判らないことが1つ。
羽化の予兆」です。

アゲハは、羽化前日、夕方の蛹の色の変化、、及び、羽化当日の朝の蛹の胸の辺りの透けた模様で羽化に気付くのですが、ツマグロヒョウモンの羽化直前は、何を頼りに気付けばよいのか判りません。

アゲハでも、枯れたような茶色っぽい蛹では色の変化はわかりません。
ましてやツマグロヒョウモンの蛹の色では無理な願いでしょうね。

アゲハは殆どの場合、夜明けから1~2時間で羽化しますが、ツマグロヒョウモンは勝手気ままな時に羽化しているような気がします。

今のところツマグロヒョウモンの 「羽化の予兆」が掴めていないので、沢山飼育しておけば出会いのチャンスも増えるだろうと、「数撃ちゃ当たる」方式を採用しています。

ところで今朝は、奇怪な蛹の両側、メスとオスの2匹が羽化しました。


<<< 2007/09/20追記 >>>
ツマグロヒョウモンの羽化の予兆」について、私のツマグロヒョウモンの先生であるミルクティさんからまたまた掲示板で教えて頂きました。
ミルクティさん有難う御座いました。


今は5匹しかいない貴重なルリタテハの世話が最優先です。

ルリタテハの次がツマグロヒョウモン。

ツマグロヒョウモンの物干し竿の前に来たら、1匹羽化して羽根は殆ど拡がっていました。
羽根の模様を見たらメスだったので、カメラを取りに行って戻ってみたら、横のほうで何かがモゾモゾ。もう1匹が羽化を始めました。

好都合なことには、蛹の横方向から見えるので、羽化の様子がよく判ります。

こうなると羽根がほぼ拡がりきったメスよりは、殻から抜け出ているオスですよ。

しかし、沢山撮ろうにも体勢が悪いし、物干し竿は動かせないし・・・撮れた写真はボケ写真ばかりでしたが、掲示しておきます。

右のほうで、羽根の拡がっているのが先に羽化したメスです。
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殻から抜け出る時に足で押している殻の蓋の部分。
これを見て、9月18日の奇怪な蛹が判ったような気がしました。
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先に羽化した右側のメス
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後で羽化した左側のメス
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先に羽化したメスはオスに興味は無く、何処かへ飛んでいってしまいました。P20070919-IMG_4347
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ツマグロヒョウモンの羽化の証です。
部屋の中で羽化させる場合は蛹の下に大きな鉢皿などを置くべきです。
量は多いですよ。

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2007年9月20日 奇怪な蛹(3)

今日は切開手術をしてみました。

先ず、オレンジ色の筋で挟まれた部分の皮の取り除きました。
見えているのか見えていないのか判らないツブラな瞳の目は真っ黒に。
触角も口も黒くなって硬くなっています。

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続いて羽根の部分の皮を取り除きました。この部分の皮も乾ききってパリパリ。
羽根の模様、色では、オスですね。

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ミルクティさんが掲示板で教えて下さったように、蛹の形が曲がっていて、出ようとしたが出られなかったことでしょうね。
なにしろ、当昆虫館では、年金は勿論のこと、健康保険も摘み食いしてしまい、助産婦さんを置くだけの費用がありませんので手助けすることが出来ませんでした。

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