記事内に広告が含まれています。
岩国市田舎村昆虫館は、イモムシとかアオムシなどと言われている幼虫の写真が沢山現れますので、昆虫が嫌いな方へは閲覧をお勧めしません。しかし、子供さんの夏休みの自由研究などに役立つ記事が沢山ありますので、興味のある方はご覧になって下さい。

カブトムシの飼育(25)(特別版1-1)産卵・産卵床・孵化・幼虫

広告
●このページは、前ページからの続きです

2009年8月15日 卵と幼虫の掘り出し

マットの表面近くまで幼虫が押し上げられているとなると、マットの中は悲惨な状態になっているのではないかと思って、第1回目の卵と幼虫の掘り出しを行いました。


①掘り出し用の道具の準備
P20090815-P1120680-2
写真には、ブルーシート、霧吹き、スプーン、ケース、バケツなどが写っていますが、必需品は、
スプーン
霧吹き
成虫を仮に入れておくケース
掘り出した卵、幼虫を入れるマットが入ったケース
土ふるい
です。


②掘り出し作業
P20090815-P1120683
衣装ケースを立てかけました。衣装ケースを立てても、マットが固めてありますので、ドサッと崩れ落ちることはありません。
手でマットを少しずつ崩していきました。
ケースの底のほうはマットが固まっていますので、ケースの壁とマットの間にスプーンを入れて、塊を崩し、その後は手で崩しました。
掘り出し時の注意事項は下に纏めてありますので、ご覧下さい。


③掘り出した卵と幼虫
P20090815-P1120681-2
衣装ケースのマットの上のほうで、サラサラしたマットを崩していたら卵が何個か出てきました。

P20090815-P1120688-2
幼虫も卵も、スプーンで掬い取りましたよ。

P20090815-P1120691-2
衣装ケースの底の固まったマットの塊です。
卵2個と幼虫が1匹居ました。

掘り出した数は、卵が42個幼虫が19匹でした。


④掘り出した卵と幼虫を入れたケース
P20090816-P1020482-2
ケースは下の表にある飼育箱(大)を使用して、卵42個幼虫19匹を入れました。
P20090816-P1020483-2
マットがカラカラに乾燥しないように、100円ショップで買った防虫シートを被せました。
P20090816-P1020484-2


⑤成虫には、まだまだ頑張って産卵してもらいます。
P20090815-P1120694-2
卵と幼虫を掘り出した後、マットを衣装ケースへ戻して、成虫も戻しました。
戻した成虫は♂が2匹、♀が5匹の計7匹です。


は何処からともなくやってきた若い風来坊の2匹を残して、老いぼれの3匹は勝手気ままな旅に出てもらうことにして、籠にゼリーを入れて、その中に3匹を入れて橙の木に吊るしておきました。
(8月17日の朝確認したら、3匹とも旅立っていました。)

P20090815-P1120696


さて、次回の卵と幼虫の掘り出しは、♀5匹が死んだ後になりますが、どれくらい出てくるでしょうかね?

広告

道具の準備について

  • スプーンは使い古したものが最適です。
    尖った部分があると、卵や幼虫に傷が付く恐れがあります。
  • 掘り出した卵や幼虫を入れるケースのマットは、適度な湿り気を持たせておいて下さい。
    適度な湿り気とは、手でギュッと握った後に手を開いて、バラバラにならない程度の湿り気です。
  • マットは孵化したばかりの幼虫(卵の大きさの幼虫ですよ!)が食べることが出来るものを使用して下さい。
  • 幼虫用のマットは、絶対に広葉樹醗酵させたものです。
    針葉樹の混ぜてあるものは厳禁です。幼虫は食べませんし、痩せ細って、やがては死んでしまいます。(安物買いの銭失いにならないように。)

掘り出し時の注意事項

このページの上のほうに既に書いていることと重複する内容もありますが、実際に掘り出しながら気付いたことを書いておきます。

  • スプーンは卵や幼虫を掬いとるためのものです。マットを掻き取ったり、マットに突き刺すようなことは絶対にしないで下さい。卵や幼虫を潰すことになります。
  • 初めに、マットの表面に近い、固まっていない所(産卵床として底のマットを押し固めた場合)を手で掻き落として下さい。 もし、卵や幼虫がマットの上の方へ押し上げられていたら、下に落ちてきますので、スプーンで掬い取って、卵・幼虫用のケースへ入れて下さい。
  • 卵や幼虫は、手で掴まないで、スプーンで掬って下さい。人間は強いですから大丈夫でしょうが、人間の手の雑菌で幼虫が死んでしまうことがありますので、直接手で掴まないで下さい。
  • 卵・幼虫用のケースへ入れる時は、マットを少し掘って(指で穴を開けて)入れて、直ちにその上にマットを被せて下さい。乾燥させないことが大事です。
  • 卵や幼虫は、出来るだけ離して入れて下さい。
    私は直接見たことはありませんが、2齢幼虫までは、混雑しすぎると幼虫同士が共食いすると聞いたことがあります。(3齢になると共食いは無いらしいです。)
  • マットの固まった塊は、指で優しく崩して下さい。固まった塊の中に幼虫が居ることがあります。
  • マットを手で崩しながら卵と幼虫を探しますが、なにしろ小さいですから見落とすことが多いです。また、マットは全ての♀が死んだ後の2回目の掘り出しまで再利用しますので、粗目土ふるいを使って、崩したマットの再チェックをしましょう。
    土ふるいの網目を通過して下に落ちる卵がありますので、下をよく見ていて下さい。
    幼虫は土ふるいの中に残ると思いますので、強く振りまくって幼虫を潰すことがないように注意して下さい。
    なお、土ふるいは100円ショップのものを使っています。

掘り出した卵と幼虫を入れるケース

  • ケースの大きさですが、卵や幼虫を掘り出したばかりの時は小さくてもよいですが、今年末の寒くなるまでに驚くほど食べて、大きくなります。飼育している幼虫の数と、幼虫の大きさにより、今後、ケースを大きくしていかなければなりません。
  • マットは多目に入れておきましょう。
  • 幼虫飼育で使用するケース
    参考までに、昨年(2008年)の飼育の時に、冬を越すために3齢幼虫を入れたケースと幼虫数のデータを、昨年の日記から抜粋して再掲載しておきます。
ケース
(cm)
奥行
(cm)
深さ
(cm)
底面積
(cm^2)
容量
(リットル)
入れた
幼虫数
2008/12/26
衣装ケース 68 25 27 1700 64.2 30匹
飼育箱(大) 37 21 27 777 20.9 12匹
100円の米びつ 23 16 12 368 4.4 3匹

2009年8月15日(2) 奇妙奇天烈、手品のような奇怪な出来事

この2匹のメスは何処から出てきたのでしょうか?
掘り出した卵と幼虫を入れるケースとして飼育箱(大)を使うことにして、蓋を開けてみたら、マットの上で2匹のメスが餓死していました。
この飼育箱(大)には、8月6日に袋をバリバリに破られてしまったマット(8月6日の日記をご覧下さい)を入れて、蓋をしていました。その後は全く中を見ないまま、今日開けてみたら2匹のメスが湧き出ていたのです。
どのようにして蓋が閉めてある飼育箱に入り込んだのでしょうか?

P20090815-P1120679


摩訶不思議な手品でも種は存在します。この2匹のメスについて推測してみました。
もう一度、8月6日の日記をご覧下さい。
「何処からともなくやってきたオスの風来坊が、マットの袋を腹立たしさのヤブレカブレで破った」と書きましたが、これは間違いで、「マットの袋の中に、オス1匹と、メス2匹の幼虫が潜んでいた」のではないかと思います。このマットは7月の10日過ぎに買ってきて、袋のまま置いていたものです。袋の中で蛹化して、先ずオスが羽化して袋を破って出てきた。メス2匹は、袋の中に作った蛹室のまま飼育箱に移されて、蓋の閉められた飼育箱の中で羽化し、気付かれないまま餓死した。これが筋書きの可能性があります。
乾ききったマットの上で、食べるものも無く何日か過ごしたのでしょうが、可哀想なことをしてしまいました。


この日記をご覧の皆さん、「マットの袋の中に潜んでいた幼虫が羽化して出てきた」となると、このマットは品質管理が悪いと思われるかもしれませんが、それは間違いです。
幼虫が食べても問題が無く、幼虫は丸々と肥り、無事に羽化に漕ぎ着けられるマットの証明ですよ! 私は、ビニール紐などが混入したようなマットでなく、今後もこのマットを使うことにします。

2009年8月15日(3) 掘り出した卵3個を別ケースに入れて飼育します

今日掘り出した卵のうち3個を別ケースに入れて飼育することにします。
飼育中の様子は、カブトムシ飼育日記(特別版2)3個の卵の孵化から羽化までの日記に書いていきます。

お知らせ

このページの前後のページもご覧下さい。

カブトムシの飼育(24) 蛹を約100匹、岩国市科学センターへ寄付・人工蛹室・ペットボトル・蛹室・前蛹・蛹・ゼリー・羽化
昆虫館の館長 カブトムシの飼育(24):蛹を約100匹、岩国市の科学センターへ寄付しました。マットの使用量の集計もしてみました。 2009年6月12日 養子縁組を決めてきました ペットボトルの中を時々点検していますが、蛹になったものが居ます...
カブトムシの飼育(26)(特別版2) 3個の卵の孵化から休眠まで・・・卵・タッパー・孵化・幼虫飼育・糞掃除・動画
昆虫館の館長 カブトムシの飼育(26):卵を3個タッパーへ入れて、卵の孵化から休眠前の11月終わりまで飼育しました。孵化したばかりの幼虫の写真を撮ることが出来ましたが、可愛いですよ。 本サイトの日記は、国産のカブトムシについて書いてあります...