2009年8月15日 卵と幼虫の掘り出し
マットの表面近くまで幼虫が押し上げられているとなると、マットの中は悲惨な状態になっているのではないかと思って、第1回目の卵と幼虫の掘り出しを行いました。
①掘り出し用の道具の準備
写真には、ブルーシート、霧吹き、スプーン、ケース、バケツなどが写っていますが、必需品は、
・スプーン
・霧吹き
・成虫を仮に入れておくケース
・掘り出した卵、幼虫を入れるマットが入ったケース
・土ふるい
です。
②掘り出し作業
衣装ケースを立てかけました。衣装ケースを立てても、マットが固めてありますので、ドサッと崩れ落ちることはありません。
手でマットを少しずつ崩していきました。
ケースの底のほうはマットが固まっていますので、ケースの壁とマットの間にスプーンを入れて、塊を崩し、その後は手で崩しました。
掘り出し時の注意事項は下に纏めてありますので、ご覧下さい。
③掘り出した卵と幼虫
衣装ケースのマットの上のほうで、サラサラしたマットを崩していたら卵が何個か出てきました。
衣装ケースの底の固まったマットの塊です。
卵2個と幼虫が1匹居ました。
掘り出した数は、卵が42個。幼虫が19匹でした。
④掘り出した卵と幼虫を入れたケース
ケースは下の表にある飼育箱(大)を使用して、卵42個、幼虫19匹を入れました。
マットがカラカラに乾燥しないように、100円ショップで買った防虫シートを被せました。
⑤成虫には、まだまだ頑張って産卵してもらいます。
卵と幼虫を掘り出した後、マットを衣装ケースへ戻して、成虫も戻しました。
戻した成虫は♂が2匹、♀が5匹の計7匹です。
♂は何処からともなくやってきた若い風来坊の2匹を残して、老いぼれの3匹は勝手気ままな旅に出てもらうことにして、籠にゼリーを入れて、その中に3匹を入れて橙の木に吊るしておきました。
(8月17日の朝確認したら、3匹とも旅立っていました。)
さて、次回の卵と幼虫の掘り出しは、♀5匹が死んだ後になりますが、どれくらい出てくるでしょうかね?
道具の準備について
- スプーンは使い古したものが最適です。
尖った部分があると、卵や幼虫に傷が付く恐れがあります。 - 掘り出した卵や幼虫を入れるケースのマットは、適度な湿り気を持たせておいて下さい。
適度な湿り気とは、手でギュッと握った後に手を開いて、バラバラにならない程度の湿り気です。 - マットは孵化したばかりの幼虫(卵の大きさの幼虫ですよ!)が食べることが出来るものを使用して下さい。
- 幼虫用のマットは、絶対に広葉樹を醗酵させたものです。
針葉樹の混ぜてあるものは厳禁です。幼虫は食べませんし、痩せ細って、やがては死んでしまいます。(安物買いの銭失いにならないように。)
掘り出し時の注意事項
このページの上のほうに既に書いていることと重複する内容もありますが、実際に掘り出しながら気付いたことを書いておきます。
- スプーンは卵や幼虫を掬いとるためのものです。マットを掻き取ったり、マットに突き刺すようなことは絶対にしないで下さい。卵や幼虫を潰すことになります。
- 初めに、マットの表面に近い、固まっていない所(産卵床として底のマットを押し固めた場合)を手で掻き落として下さい。 もし、卵や幼虫がマットの上の方へ押し上げられていたら、下に落ちてきますので、スプーンで掬い取って、卵・幼虫用のケースへ入れて下さい。
- 卵や幼虫は、手で掴まないで、スプーンで掬って下さい。人間は強いですから大丈夫でしょうが、人間の手の雑菌で幼虫が死んでしまうことがありますので、直接手で掴まないで下さい。
- 卵・幼虫用のケースへ入れる時は、マットを少し掘って(指で穴を開けて)入れて、直ちにその上にマットを被せて下さい。乾燥させないことが大事です。
- 卵や幼虫は、出来るだけ離して入れて下さい。
私は直接見たことはありませんが、2齢幼虫までは、混雑しすぎると幼虫同士が共食いすると聞いたことがあります。(3齢になると共食いは無いらしいです。) - マットの固まった塊は、指で優しく崩して下さい。固まった塊の中に幼虫が居ることがあります。
- マットを手で崩しながら卵と幼虫を探しますが、なにしろ小さいですから見落とすことが多いです。また、マットは全ての♀が死んだ後の2回目の掘り出しまで再利用しますので、粗目の土ふるいを使って、崩したマットの再チェックをしましょう。
土ふるいの網目を通過して下に落ちる卵がありますので、下をよく見ていて下さい。
幼虫は土ふるいの中に残ると思いますので、強く振りまくって幼虫を潰すことがないように注意して下さい。
なお、土ふるいは100円ショップのものを使っています。
掘り出した卵と幼虫を入れるケース
- ケースの大きさですが、卵や幼虫を掘り出したばかりの時は小さくてもよいですが、今年末の寒くなるまでに驚くほど食べて、大きくなります。飼育している幼虫の数と、幼虫の大きさにより、今後、ケースを大きくしていかなければなりません。
- マットは多目に入れておきましょう。
- 幼虫飼育で使用するケース
参考までに、昨年(2008年)の飼育の時に、冬を越すために3齢幼虫を入れたケースと幼虫数のデータを、昨年の日記から抜粋して再掲載しておきます。
ケース | 幅 (cm) |
奥行 (cm) |
深さ (cm) |
底面積 (cm^2) |
容量 (リットル) |
入れた 幼虫数 2008/12/26 |
|
① | 衣装ケース | 68 | 25 | 27 | 1700 | 64.2 | 30匹 |
④ | 飼育箱(大) | 37 | 21 | 27 | 777 | 20.9 | 12匹 |
⑤ | 100円の米びつ | 23 | 16 | 12 | 368 | 4.4 | 3匹 |
2009年8月15日(2) 奇妙奇天烈、手品のような奇怪な出来事
この2匹のメスは何処から出てきたのでしょうか?
掘り出した卵と幼虫を入れるケースとして飼育箱(大)を使うことにして、蓋を開けてみたら、マットの上で2匹のメスが餓死していました。
この飼育箱(大)には、8月6日に袋をバリバリに破られてしまったマット(8月6日の日記をご覧下さい)を入れて、蓋をしていました。その後は全く中を見ないまま、今日開けてみたら2匹のメスが湧き出ていたのです。
どのようにして蓋が閉めてある飼育箱に入り込んだのでしょうか?
摩訶不思議な手品でも種は存在します。この2匹のメスについて推測してみました。
もう一度、8月6日の日記をご覧下さい。
「何処からともなくやってきたオスの風来坊が、マットの袋を腹立たしさのヤブレカブレで破った」と書きましたが、これは間違いで、「マットの袋の中に、オス1匹と、メス2匹の幼虫が潜んでいた」のではないかと思います。このマットは7月の10日過ぎに買ってきて、袋のまま置いていたものです。袋の中で蛹化して、先ずオスが羽化して袋を破って出てきた。メス2匹は、袋の中に作った蛹室のまま飼育箱に移されて、蓋の閉められた飼育箱の中で羽化し、気付かれないまま餓死した。これが筋書きの可能性があります。
乾ききったマットの上で、食べるものも無く何日か過ごしたのでしょうが、可哀想なことをしてしまいました。
この日記をご覧の皆さん、「マットの袋の中に潜んでいた幼虫が羽化して出てきた」となると、このマットは品質管理が悪いと思われるかもしれませんが、それは間違いです。
幼虫が食べても問題が無く、幼虫は丸々と肥り、無事に羽化に漕ぎ着けられるマットの証明ですよ! 私は、ビニール紐などが混入したようなマットでなく、今後もこのマットを使うことにします。
2009年8月15日(3) 掘り出した卵3個を別ケースに入れて飼育します
今日掘り出した卵のうち3個を別ケースに入れて飼育することにします。
飼育中の様子は、カブトムシ飼育日記(特別版2)3個の卵の孵化から羽化までの日記に書いていきます。
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